RYUSENDO GALLERYは繭山龍泉堂が創業以来120年かけて培ってきた古美術に関する智見を基に、現代に即した新しい価値観を有した作品企画を立案し、それを実現できる高い技術を持った作家に依頼し、作品を製作していく現代美術ギャラリーです。
RYUSENDO GALLERYは繭山龍泉堂が創業以来120年かけて培ってきた古美術に関する智見を基に、現代に即した新しい価値観を有した作品企画を立案し、それを実現できる高い技術を持った作家に依頼し、作品を製作していく現代美術ギャラリーです。
一万年をゆうに越えるときにより、美術は磨き上げられてきました。そこに通っているのは不変的な美術の原理原則です。その原理原則を根幹に据えながら現代の姿へとアップデートしていくという考えのもと、作家と共に作品を創り上げていきます。
中国唐時代に生きた書家、孫過庭(648-703)は書芸術論として著名な『書譜』の中で「古にして時に乖かず」と述べています。古の技、智見に立脚しながらも現代性に適応することが肝要であるという芸術的立場がそこには示されています。RYUSENDO GALLERYはその姿勢に共感する全ての方々と共に協力し、古典に根差した美の健全化を図っていくことを目標としています。
RYUSENDO GALLERYは繭山龍泉堂に併設されており、建物自体は1960年、東畑謙三設計、鹿島建設施工で竣功されています。外観は、黒漆喰と由良石を基調としており、黒漆喰はベンガラを混入したものを用い、また由良石も錆色が出ているものを上手く配置しています。そういった建物の後ろ側半分弱と改装してつくられたのがRYUSENDO GALLERYです。
既存建物を生かしながら自然光を多く取り入れるように工夫し、人工的ではない明るさを有したギャラリーを目指しました。太陽光には紫外線など、一部の美術品には有害な光線も含まれていますが、太陽光は美術品をより美しく正しく鑑賞するには必須であり、とくに古い美術品は、その殆どが太陽光で鑑賞されることを前提としています。
内装は漆喰を壁面に使用していることが大きな特長です。漆喰は伝統的な製法で作られたものを使用しており、乾燥した海藻を水でふやかし長時間煮込んで糊を作り、そこに石灰と麻の繊維を入れて混ぜ合わせて作られています。そのような漆喰は空間を浄化するような効果があり、来廊者がリラックスして作品を楽しむことを助けてくれます。
ギャラリー各階は、一、二階は吹き抜けで螺旋階段によって繋がっており、漆喰が塗られた大きな曲面の壁は見どころの一つです。続く三階は天窓が設けられていて、そこから光が降り注ぐ解放的な空間になっています。三階はギャラリー内で最も明るい展示室で、とくに光源の影響を受けやすい作品を展示するのに適しています。また、三階には茶室が併設されており、茶を喫してから美術を鑑賞することもできるようになっています。
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